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北京地下鉄1号線の幻の駅、福寿嶺駅を探せ!

2017年8月1日、リンゴ園駅が工事のため、2017年12月から2020年12月の間、封鎖されると発表されました。6号線とリニア式地下鉄S1号線との乗換駅になるそうです。 http://beijing.jinghua.cn/20170731/f314862.shtml

北京地下鉄1号線は不思議な路線で、かつては車庫までの回送列車が客扱いをしていたり、地下鉄運転手養成学校行きの列車が1日2本だけ設定されていたりしました。また、これまで一度も対外開放されたことのない駅も存在します。(なぜ存在が漏れたのだろうね?)

地下鉄1号線は中ソ対立が激しかったころ、中南海に住む偉い人たちが逃げるための地下通路を転用したとも言われています。当時の北京は一大地下都市が作られており、その一部は北京地下城として2007年まで公開されていました。

地下鉄1号線はリンゴ園から非公開路線で北京軍区に入り、豊沙線または京門線(現在廃止)につながって、そこから地方都市、または北京の西郊空港や北郊空港といった軍用空港に行けたそうです。有事の際には中南海から逃れられるセーフティーネットですね。

そんな1号線のリンゴ園駅と、幻の駅の探索に行ってきました。

リンゴ園駅#

言わずと知れた1号線の始発・終着駅です。開業当初から現在に至るまで、ほとんどの列車がこの駅から/まで発着します。周りは大きなショッピングセンターがあるだけで、特に何かあるというわけではありません。リンゴ林もありません。 リンゴ園駅

[caption id=“attachment_2700” align=“alignnone” width=“1320”] リンゴ園駅行き[/caption]

[caption id=“attachment_2701” align=“alignnone” width=“1320”] リンゴ園駅ホーム[/caption]

[caption id=“attachment_2702” align=“alignnone” width=“1320”] リンゴ園駅ホーム[/caption]

[caption id=“attachment_2703” align=“alignnone” width=“1320”] 出ていく回送列車[/caption]

[caption id=“attachment_2704” align=“alignnone” width=“1320”] 降車し、階段を登る乗客たち[/caption]

[caption id=“attachment_2705” align=“alignnone” width=“1320”] 駅構内のようす[/caption]

[caption id=“attachment_2706” align=“alignnone” width=“1320”] 出口は二手にわかれています。[/caption]

[caption id=“attachment_2708” align=“alignnone” width=“1320”] 出た[/caption]

[caption id=“attachment_2709” align=“alignnone” width=“1320”] 雨の日、傘をさして改札を並ぶ人たち[/caption]

[caption id=“attachment_2710” align=“alignnone” width=“1320”] 駅入り口[/caption]

福寿嶺駅#

[caption id=“attachment_2900” align=“alignnone” width=“1200”] 倉庫っぽい。誰も駅とは気づかない。[/caption]

アクセス#

リンゴ園からバス527路で一本、「福寿嶺」バス停から西に少し行ったところ

地下鉄運転手養成学校の最寄り駅だそうです。かつてはここまで行く列車が設定されていましたが、2007年ごろに廃止になったようです。今は学生たちはどうしているのでしょうか? 行き方はバスの福寿嶺駅から見えるとか(最初行ったとき、私は見えませんでした)、さらに北に200m行かないといけないとか、さまざまな情報が入り乱れています。ただ、この**バス停より北は北京軍区の土地なので外国人は入ってはいけません。**気を付けましょう。

2017年4月4日の後、場所を細かく調べたうえ、2017年9月9日に再訪しました。やっと見つけました。

ちゃんと電気はついている。

松林。この下に駅がある?

福寿嶺駅

高井駅#

アクセス#

396や336路などのバスで黒石頭駅で下車、南に200mほど行くと廃線があり、東側に行った突き当りに大きなコミュニティの敷地があり、さらにまっすぐ進むと駅入り口に着く。

 

もう使われていない線路。

かつてここまで列車が走っていたという噂もあります。いずれにせよ、現在はリンゴ園のすぐ西にある引き込み線に入った列車はすぐ折り返しますので、行くことができるのかすらわかりません。中は手入れがされていないようなので危険な状態だそうです。ここも下手をすると北京軍区の敷地内なので、注意して見に行きましょう。 高井駅

なぜか汽車ポッポの標識がある。

線路はあるけど進めない。

黒石頭駅#

アクセス#

396や336路などのバスで黒石頭駅で下車、南に200mほど行くと廃線があり、東側に行ったところにある。(高井駅の西側)

上記高井駅のすぐ南側にある地上・非電化の駅です。非電化の駅は北京地下鉄唯一だそうです。ここからは京門線の線路につながっています。おそらく、地下鉄車両がこの駅を走った実績はないはずです。 黒石頭駅

三家店駅#

黒石頭駅を出た列車はこの三家店駅に入ります。引き込み線は残っていますが、今はつながっていません。 三家店駅

探索に行った日、三家店駅から鉄道で北京駅まで帰りました。硬座(2等車)で3元、予定通りだと50分ですが今回は途中でのろのろ運転の区間があって70分かかりました。途中、高速鉄道の一大ターミナル駅である北京南駅を経由しましたが、なぜか停車せず通過しました。利用者の利便性を無視する潔さを感じました。

地下鉄でリンゴ園駅まで6元ぐらいしましたので、帰りは3元だと安いなと思いましたが、クーラーがかかってなかったので暑かったです。冬場は暖房がかかっているはず…と思いたいです。

三家店駅付近にも配線跡が伸びています。

沿って歩くと駅入り口に行く通路があります。これもかつては駅構内の連絡通路だったのを一般開放して通り抜けの道にしたもののようです。

それが証拠に、ホームに行く階段が残っています。

駅の外観はこんな感じです。

改札をくぐると広めのベンチがあります。暑い日だったので日陰が人気でした。

トンネルをくぐってホームに行きます。

上の写真は露出の関係で明るく見えていますが、実際はこんな感じです。

地上に上がると貨物列車が止まっていました。

気持ちいいぐらいだだっ広い駅です。

片道3.0元でした。

交通量の多い路線なので、貨物列車や客車列車が通過します。

いよいよ、私の乗る4416列車が来ました。5両編成です。

硬臥(B寝台)の椅子に4人が座るような形で席が指定されています。ただ、空いていたら窓際の席が自由に座れます。

石景山駅などに停車しつつ、北京駅に向かいます。途中、北京南駅周辺で高速鉄道と並走します。そしてなんと、高速鉄道のターミナル駅である北京南駅を通過します。

50分の予定を70分かけて列車は北京駅に到着しました。

北京地下鉄1号線の幻の駅、福寿嶺駅を探せ!
https://webkikou.pages.dev/posts/2018-09-01-beijing-metro-line1/
Author
ウチボリ
Published at
2018-09-01